渦流探傷器 / Phasec3
過酷な環境下でも使用可能な堅牢設計で、様々な金属の検査に対応。
- 金属表面の傷、割れ
- IP54
概要 :渦流探傷器 / Phasec3の製品概要
Phasec3は高周波の表面検査から低周波の表面直下の検査まで幅広いアプリケーションに適した基本モデルです。
特長
- 過酷な環境下でも使用可能な堅牢設計
- 大きく見やすいカラー液晶ディスプレイ
- 左右いずれの手にも馴染む人間工学デザイン
- 様々な金属の検査に適した高い性能
- 直感的で簡単な操作
- 保存した設定条件をすぐに呼び出すことが可能
- リチウム・ポリマー・バッテリ採用
用途
- 各種金属部品、構造物の表面探傷、保守検査
- 溶接部の表面探傷
- 非磁性チューブの検査
- 航空機の機体,ホイール,エンジン等の検査
- 熱処理の有無
- 熱影響、表面硬さ、熱損傷の評価
- 非磁性材料の多層構造底板、表面近傍きずの探傷
- コーティング厚さの測定

溶接部の探傷例

ペンシルプローブ使用例

片手に持って検査可能
溶接探傷のイメージ(ウィルドスキャンプローブ使用時)

溶接部の探傷例

溶接ビード上の探傷

きず長さの特定

溶接ビード上の欠陥信号の例
渦流(電磁誘導)試験
- 金属表面におけるコイル
- 交流電流が流れる一つのコイルを金属表面に近づけると(渦)電流を誘導します。
- その金属表面にクラック(割れ)が存在すると渦電流の流れは妨げられ減少します。
- その渦電流の大きさと位相はコイルの負荷に影響します。その変化をモニターリング(インピーダンスの変化)します。

渦流試験の利点
- 金属表面の検査(割れなど)に最適
- 検査時間の効率化(高速な検査)
- 前処理が不要
- 非接触(ペイント上から)で検査が可能
- 環境的に受け入れ易い
渦電流に影響を及ぼす因子
- 割れなどの欠陥
- 熱処理の有無)
- 透磁率(熱影響,応力)
- 周波数(プローブコイル,装置側で調整)
- 形状(平面,曲面,端部等)
- 近接/リフトオフ(膜厚測定)
渦流探傷VS超音波探傷

渦電流によるきず検出

標準浸透深さ
導体中に生じる渦電流
コイルを通じて金属に励磁する渦電流は表面で最大となり、内部につれて減衰します。
標準浸透深さとは、渦電流が表面値の1 /e(37%)である深さを定義します。

- 試験周波数が高くなると減衰
- 導電率が高くなると減衰
- 透磁率が大きくなると減少
実用周波数において磁性材料中での浸透深さは非常に小さくなります(透磁率) 材料が磁化されるものとしてあげられます。
磁性材料の比透磁率は数百になることがあり、渦電流に大きな影響を及ぼします。
又、局部の応力,熱影響などの要因で金属内部は不均一な透磁率となります。

仕様
試験周波数 | 標準モード:10Hz~ 10MHz |
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ディスプレイ | カラー液晶ディスプレイ 保護用硬質皮膜付アクリルウィンドウ 解像度 320×240画素 表示画面サイズ 117.2×88.4 mm |
感度 | X, Y 軸同時または X, Y軸単独調整 -8 dB ~+96 dB,(0.1dBステップ) 入力ゲイン:0 dBまたは 14 dB ドライブ電圧:-8, 0, +8 dB |
フィルタ | ローパス: 3Hz ~1500Hz(2440ステップ) ハイパス:DC-Ultra-1~1200Hz(1675ステップ) |
アラーム | ボックス形、セクター(扇形) |
位相 | 0°~359.9°(0.1°ステップ) 自動リフトオフ位相調整機能 |
内部データ保存 | 波形、探傷条件(各々最大 200件) |
プローブ | 絶対値式標準プローブ(50Ωインピーダンス) 差動式プローブ(ウェルド・スキャン・プローブ) |
バランスロード | 手動/自動選択 (1.3, 8.2, 22, 47, 82, 120μH) |
出力 | アナログ出力(7ピン Lemo) VGA出力 |
PC接続 | USB接続 |
重量 | 1.1kg(バッテリ含む) |
寸法 | 192×139×57 mm(W×H×D) |
IP規格 | IP54 |
バッテリ充電器 | 100~240 VAC, 400mA |
プローブ接続 | 12ピン Lemoコネクタ |
構成品
本体、ラバーケース、肩掛けベルト×2、ペンシルプローブ(表面探傷用)、ウィルドスキャンプローブ(溶接検査用)、充電用ACアダプター、試験片、SupervisorPC(CD-R)、USBケーブル、ソフトキャリングバッグ、取扱説明書




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