フェーズドアレイ超音波探傷器 / EPOCH1000i
一般的な超音波検査機能と断面映像化を実現するフェーズドアレイ機能を兼ね備えています。
- IP66
- CFカード
- フェーズドアレイ
概要 :フェーズドアレイ超音波探傷器 / EPOCH1000iの製品概要
太陽光下でも読み取り可能なフルVGAディスプレイ、パラメータ調整や操作を簡易化するスクロールノブや矢印キーを備え、防滴・防塵性能規格のIP66に準拠しています。EPOCH 1000iでは、フェーズドアレイ機能を標準搭載しており、一般的な超音波検査のみならず、フェーズドアレイ機能により超音波検査の適用範囲を広げることが可能です。
※ UT実技試験用オプションをご用意しております。オプション品からお選びください。
フェーズドアレイ用探触子は標準付属です。通常の探触子は付属しておりません。ご注意ください。
高度な超音波検査を可能にする超音波探傷器
EPOCH 1000iは、一般的な超音波探傷器としてもEPOCHシリーズ中、最高レベルの機能を備えています。このポータブル超音波探傷器は、インラインシステム等に組み込んでご使用頂くことも可能です。EPOCH 1000iは、シングルショット測定と最大6kHzのPRF(パルス繰返し周波数)により正確で高速なスキャンを行います。また、調整可能な矩形波パルサー(PerfectSquare)技術、デジタル式高ダイナミックレンジレシーバ、広範囲のデジタルフィルターなど、よりクリアなSN比を実現するための優れた機能が標準搭載されています。
標準搭載機能
- 調整可能なPRF(パルス繰返し周波数): 5 Hz~6 kHz
- シングルショット測定
- PerfectSquareテクノロジーによる調整可能な矩形波パルサー
- プログラム可能なアナログとアラーム出力
- 30以上のデジタルフィルタ
- デジタル高ダイナミックレンジレシーバ
ソフトウェア機能
- AWS溶接検査
- この溶接評定カリキュレータは、ゲート設定した欠陥指示をその場でAWS D1.1/D1.5規格準拠「D」値による溶接評定を行います。
- オンボードDGS/AVG
- DGS/AVG欠陥サイジング技術は、あらかじめ計算した減衰カーブを用いて、欠陥のサイジングを行います。対応した探触子の減衰カーブを標準の一覧から呼び出し、すばやく簡単にDGS/AVGカーブ設定や正確な欠陥サイジングを実行できます。
- インターフェイスゲート
- 3番目の測定ゲート(オプション)では、一貫したデジタル測定を保持するために、さまざまなインターフェイスエコーのリアルタイムトラッキングを行います。
- ダイナミックDAC/TVG
- 基準反射源によるDACカーブをダイナミックに生成します。DACからTVGモードの切替もボタン一つで行います。ASME、ASME-III、JIS、20 -%~80 %、カスタム、TVGテーブルなどのダイナミックDAC/TVGがあります。

EPOCH 1000 ClearWaveによる従来型A-スキャン画面表示の強化機能
EPOCH 1000iは、新しい画面表示機能を搭載し、高度な用途における検出能力を改善します。
- 合成A-スキャン
画面表示を更新する間(1/60秒)で送受信したすべてのA-スキャンを画面上に同時に重ね合わせて表示します。このため、高速スキャン中でも欠陥からの反射波を確実に表示します。 - 最大振幅
画面表示を更新する間(1/60秒)で送受信したすべてのA-スキャン中、ゲート設定された範囲で最大の振幅値を示したA-スキャンのみを表示します。 - 最小厚さ
画面表示を更新する間(1/60秒)で送受信したすべてのA-スキャン中、ゲート設定された範囲で最小厚さ測定値を示すA-スキャンのみを表示します。 - 平均化A-スキャン
収集したA-スキャンの平均を表示します。2x、4x、8x、16x、32xおよび64xで平均化。 - ベースラインブレイク
全波表示モードで、ベースラインに各A-スキャンローブを近づける線として、ゼロクロスポイントを表示します。 - 持続モード
探傷器の画面にすでに収集したA-スキャンを一定時間保持します。保持する時間は選択可能で、この機能により欠陥エコーの視認をサポートします。
フェーズドアレイ機能標準搭載探傷器
EPOCH 1000iは、ポータブルで堅牢な、高機能を有した超音波・フェーズドアレイ探傷器です。
優れた欠陥検出能力を備え、検査したい部位をより詳しく視覚化できます。また、簡単なセットアップだけで、さまざまな角度(フォーカルロウ)のA-スキャン表示ができ、検査効率にも優れています。そのため、複数のプローブやウェッジを使用する必要がありません。フェーズドアレイ機能を併用しつつ、一般的な超音波検査モードで規格に準拠した検査を行うことにより、検査の精度と効率を向上させます。
標準である16:16プローブ素子構成(駆動可能素子数:16、最大同時励振素子数:16)とオプションの16:64プローブ素子構成(駆動可能素子数:64、最大同時励振素子数:16)を使用できるEPOCH 1000iは、欠陥検出に便利な多くのサイジング機能を備えています。欠陥サイズの評価には、A-スキャンとS-スキャン(セクタスキャン)の基準カーソルとサイジングカーソルが有効です。EPOCH 1000iは、すべてのフォーカルロウに対しDAC/TVG機能があるため、取得したDACカーブに基づいて、選択したA-スキャンの欠陥評価を可能にします。
すべてのフォーカルロウにおけるDAC/TVG機能
EPOCH 1000iは、すべてのフォーカルロウに対しDAC/TVG機能が付いています。DACカーブを取得したり、定義済み角度/フォーカルロウすべてにおける既知の反射源から、TVGセットアップを一度に作成することができます。このセットアップを完了した後に、さまざまなフォーカルロウにおける欠陥をS-スキャン画面を用いて検出することができます。
AWS溶接検査

A-スキャン表示とS-スキャンの同時表示

EPOCH 1000iマルチアングル

リニアE-スキャンとC-スキャン
このオプションのソフトウェア機能は、EPOCH 1000iを16:64プローブ素子構成対応に拡張し、電子スキャン(E-スキャン)と手動によるC-スキャン画像化機能(時間ベースによるエンコード)を追加します。
リニアE-スキャンは、最大16素子までの同時励振で最大64素子を持つプローブを使用して収集されます。A-スキャンとE-スキャンもしくはA-スキャンとC-スキャン画像というふうに同時に表示することができます。
C-スキャン画像は、E-スキャンの画像データを累積し生成されます。この手動によるC-スキャン画像では、独立した2つの測定ゲートから伝播時間(TOF)および振幅データの両方を表示します。
データ取得後、データソースおよびデータタイプは、ダイナミックに調整可能で、カーソルを使ってスキャンデータの解析を行うことができます。

用途
- 一般的な溶接部検査
- クラック検出とサイジング
- 電力産業の検査
- AWS D1.1/D1.5規格による溶接部検査
- 鋳造および鍛造欠陥検査
- DGS/AVGソフトウェア機能による欠陥サイジング
- インライン検査装置や水槽試験装置の超音波ユニット部分の代替
- 複合材の層関剥離および欠陥検査
- 航空宇宙産業の製品検査とメンテナンス業務
- 自動車産業およびその他輸送用機器の製品検査とメンテナンス業務
仕様
一般仕様
外観寸法(W x H x D) | 252 mm X 177 mm X 107 mm; 9.92 in. x 6.97 in. x 4.2 in. |
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質量 | 3.67 kg(リチウムイオンバッテリー含む) |
キーパッド | 日本語、英語、国際記号、中国語 |
言語 | 日本語、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、中国語、ロシア語、ポーランド語 |
探触子接続 | BNCまたは大LEMO |
データ保存 | 波形データとともに本体に10,000 IDまで保存可能。4 GBコンパクトフラッシュカード標準搭載(取り外し可) |
バッテリタイプ | リチウムイオン充電可能バッテリー標準搭載(×1) |
稼働時間 | 8時間(従来型UTモード)、7時間(フェーズドアレイモード) |
電源要件 | ACメイン: 100 VAC~120 VAC、200 VAC~240 VAC、50 Hz~60 Hz |
ディスプレイタイプ | フルVGA (640 x 480ピクセル)、半透過型カラーLCD、更新速度60 Hz |
ディスプレイ寸法(W x H、対角線) | 132.5 mm X 99.4 mm, 165.1 mm |
保証 | 1年保証 |
入力/出力
USBポート | 1 USBクライアント、3 USBホストポート |
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RS-232 | ○ |
ビデオ出力 | VGA出力標準搭載 |
アナログ出力 | 4アナログ出力、選択可能な1 V/10 Vフルスケール、最大4 mA |
アラーム出力 | 6アラーム出力、5 V TTL、10 mA |
トリガーI/O | トリガー入力5 V TTL; トリガー出力、5 V TTL、10 mA |
エンコーダー入力 | 2-軸エンコーダーライン(矩形)、従来型UTのみ |
耐環境性能
防滴・防塵性能 | IP66規格に適合 |
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爆発性雰囲気 | MIL-STD-810F, Method 511.4, Procedure 1. Atmosphere defined per NFPA 70, Article 500 as Class I, Division 2, Group D. |
耐衝撃性 | IEC 600689-2-27, 60 g's, 6 µsec H.S., 18 axes total |
耐振動性 | Sine vibration, IEC 60068-2-6, 5 Hz to 150 Hz @ 0.03 inches or 2 g's Displacement Amplitude, 20 sweep cycles |
気温(使用時) | -10° C~50° C |
気温(バッテリー保管時) | 0° C~50° C |
気温(バッテリー充電時) | 0° C~40° C |
Epoch 1000iシリーズ超音波/フェーズドアレイ探傷器仕様
フォーカルロウ | 61 |
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物理的プローブ | 64素子 |
仮想プローブ | 16素子 |
ビデオフィルタリング | オフ、低、高 |
ディスプレイ モード | A-スキャン、S-スキャン、E-スキャン、C-スキャン、A-スキャン+画像(S, E, C) |
画像更新速度 | A-スキャン画面、60 Hz/S-スキャン画面、20 Hz |
パルサー
一般的な超音波検査モード | フェーズドアレイ検査モード | |
パルサータイプ | 調節可能な矩形波 | |
PRF | 5 Hzごとの増加で5 Hz~6000 Hz | 手動調整、 最大1520 Hz |
電圧設定 | 25 Vごとの増加で50 V~475 V | 40 Vあるいは80 V |
パルス幅 | PerfectSquare機能により25 ns~5,000 ns( 0.1 MHz)の範囲で調整可能 | PerfectSquare機能により、40 ns~1000 nsの範囲で調整可能 |
ダンピング | 50、100、200、400 Ω | なし |
パルサー遅延 | なし | 2.5 nsごとの増加で0~10 µs |
レシーバ
一般的な超音波検査モード | フェーズドアレイ検査モード | |
ゲイン | 0 0~110 dB | 0 0~80 dB |
最大入力信号 | 20 Vp-p | 各チャンネルごとに250 mVp-p |
レシーバ入力インピーダンス | 400 Ω ± 5% | 50 Ω ± 10% |
レシーバ帯域幅 | 0.2~26.5 MHz @ -3 dB | 0.5~12.5 MHz @ -3 dB |
レシーバ遅延 | なし | 2.5 nsごとの増加で0 ~10 µsの範囲で調整可能、 |
デジタルフィルタ設定 | 標準フィルタ(EN12668-1テスト準拠): 7フィルタ 高性能フィルタ(EN12668-1テストなし): 30フィルタ |
6フィルタ |
波形表示 | 全波、半波+、半波-、RF | |
リジェクション | フルスクリーン高さの0~80 % FSH、および警告表示 | |
振幅直線性 | フルスクリーン高さ(0 %~110 %)の±0.25 % | |
測定レート | すべてのモードでPRFに同等 |
校正
一般的な超音波検査モード | フェーズドアレイ検査モード | |
自動校正 | ・音速、ゼロ補正 ・垂直ビーム(最初の底面反射あるいはエコーtoエコー) ・斜角ビーム(ビーム路程あるいは深さ) |
・音速、ゼロ補正、感度 ・ビーム路程あるいは深さ(ゼロ補正) |
テストモード | パルスエコー、デュアル、透過 | パルスエコー |
単位 | ミリメートル、インチ、マイクロセカンド | |
レンジ | 3.26 mm~25,000 mm (鋼中の縦波音速換算) | 最大762 mm(鋼中の縦波音速換算)、フォーカルロウ×30 |
音速 | 635 m/s~15,240 m/s | |
ゼロ補正 | 0 µs~750 µs | なし |
ディスプレイ遅延 | -59 mm~25,400 mm | 0~最大レンジ |
屈折角 | 0.1°ごとの増加で0°~85° | 0.5°、1.0°、1.5°あるいは2.0°ごとの増加を選択可能。61フォーカルロウ、 -80°~+80°で調整可能 |
ゲート
一般的な超音波検査モード | フェーズドアレイモード | |
測定ゲート | 2つの独立したゲート(振幅およびタイムオブフライト測定) | |
インターフェイス ゲート (IF) |
ゲート1およびゲート2のトラッキング(オプション) | |
ゲート開始位置 | 表示範囲により可変 | |
ゲート幅 | ゲート開始位置および表示範囲により可変 | |
ゲート高さ | フルスクリーン高さの2%~95%で可変 | |
アラーム | ・正負閾値 ・最小深さ |
・正負閾値(指定フォーカルロウ) ・最小深さ(指定フォーカルロウ) |
基準カーソル | A-スキャン用基準カーソル×2 | A-スキャン用基準カーソル×2; 画像用基準カーソル×4 |
計測
一般的な超音波検査モード | フェーズドアレイ検査モード | |
計測表示位置 | 6つの配置が可能(手動あるいは自動選択) | |
ゲート1 | 厚さ、ビーム路程、距離、深さ、振幅、タイムオブフライト、深さ-最小値/最大値、振幅-最小値/最大値 | |
ゲート2 | ゲート1と同様 | |
IFゲート (オプション) |
厚さ | |
エコーtoエコー | ゲート2-1、ゲート2-IF、ゲート1-IFから選択 | |
その他計測 | DGS/AVGのオーバーシュート値(dB)、DGS/AVGのFBH(同等の反射源サイズ)、AWS D1.1/D1.5 rating (D)、リジェクション値 | |
DAC/TVG | 標準 | |
DACポイント | 最大50ポイント、ダイナミックレンジ110 dB | 最大20ポイント、各角度ダイナミックレンジ40 dB |
特殊なDACモード | 20%~80% DAC、カスタムDAC (最大6カーブ) | なし |
TVGテーブル | 最大50ポイント、ダイナミックレンジ110 dB、すべてのPRF設定、ゲートIFに対応 | 最大20ポイント、各角度ダイナミックレンジ40 dB |
曲面補正 | 斜角測定で曲面の周囲を検査する場合のビーム路程を補正 |
構成品




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